賃貸不動産経営管理士とは

平成25年から資格化された「賃貸不動産経営管理士」は、対象者が管理業務に関する知識・技能・倫理観を持った専門家であることを認定するもので、前述した登録制度の中心的役割を担うことが期待されている。

管理業務のスペシャリスト・登録制度の中心的役割に 

昨今、賃貸不動産の管理業務において、専門知識を持たない多くの地主・家主に代わり、管理会社による不動産価値の維持・向上が期待されている。その背景には、入居者への敷金返還の問題などを筆頭とするトラブルが増加・複雑化している現状がある。外国人、生活保護受給者、高齢者など入居者が多様化していく中、供給されている物件の老朽化も進み、設備面に関するトラブルも増加傾向にある。平成27年度中に消費生活センターを始めとする全国の消費者相談機関に寄せられた声のうち、「賃貸物件」に関する相談事は33,193件(全体の3.5%)あり、全体の6番目に位置している。不動産業行政に携わる国交省では、これまで「宅地建物取引業法」により取引の公正化を図ってきたが、賃貸不動産の管理に関しては、これまで特別な法規制やルールなどが存在しなかった。特に賃貸は我が国における住宅戸数のうち約4分の1以上を占め、非常に重要なストックとなっているにもかかわらず、人的・設備面双方のトラブルの増加を抑止できない現状がある。フローからストックの時代を迎え、賃貸住宅のニーズは増加・高度化した。同時に管理会社の数も増え、市場は活況を呈しているが、反面トラブルの増加に悩まされている。

この現状を踏まえ、平成23年12月には賃貸人・賃借人双方の利益保護を目的に「賃貸住宅管理業者登録制度」が施行された。登録された管理会社は定められたルールに則り、適切な業務を行うことが義務づけられる。一口に管理と言っても、その範囲は多岐にわたる。実務に携わる人々には、様々な法令に関する知識や、それを活かす豊かな経験が求められている。平成25年から資格化された「賃貸不動産経営管理士」は、対象者が管理業務に関する知識・技能・倫理観を持った専門家であることを認定するもので、前述した登録制度の中心的役割を担うことが期待されている。管理業務は国民の住生活を支える非常に公共性の高い業務であり、継続的かつ安定的で良質な管理サービスに対する社会的な期待や要望も多く、家主・入居者双方から信頼を得て、公正中立な立場でトラブルを未然に防ぐ役割も同時に期待される。近年では、人口減少や住宅の供給過多などによる空き家の増加が問題となっているが、これらを新たなビジネスチャンスに変えるべく、従来の空室対策のみならず、再利用を目的としたリノベーションや、流動的な時勢を反映した柔軟な契約形態・管理方法を家主に提案することも賃貸不動産経営管理士には求められている。賃貸管理業務は弊社でも柱としている部門だが、家主の大切な資産である物件をしっかりと維持し、資産価値を高めつつ、入居者満足度も高め、退去とトラブルを未然に防ぐ為に、管理業務に関する知識の更なる向上と経験値の蓄積は引き続き不可欠である。登録制度・資格を活用しながら、今後も家主・入居者双方から高い満足度を得られる管理会社でありたい。